断捨離れない

4.

2025.05.06

学生の頃、数学と化学が好きだった。

高校生の頃の、必死に勉強したノートは捨てられなくて実家に置いてあった。
母には意味のないもので、早々に捨てられてしまったのだけど。
使う場も与えられなかった、報われなかった頑張りを「あの頃は勉強が趣味だった」と置き換えてきた。

・・・・・

友人が実家じまいの為に片付けをしていたら、高校生の頃のノートが出てきて、懐かしさで手が止まったと言っている。

その声を聴きながら、「ないんだよね」と呟いてしまった。

「あの頃も、捨てられなくて、今も捨てられなくて、でも捨てなきゃ片付かない。一冊だけ持ち帰ってきた」

「あれは捨てられないよね」

「もうあんなに文字書くことないよね」

「実家のどこかに一冊くらい紛れ込んでないの?」

ポツポツとそんな会話をした。

学生の頃のノートなんて取っておく意味は無いと言わない友が好きで、「あれは捨てられないよね」と共感できる記憶があってよかったと思う。

そろそろいろいろなものを整理しなきゃいけないと思いはじめると、自分の人生ってつまらないものな気がしてくる。

もう少し好きに溢れた空間にいたくて、まだわからない好きを探求していたい。

体力があるうちに片付けないといけないとは思うので体力落とさない努力をしよう(何か間違っている気もするし、間違っていない気もする)

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